厚生労働省で行われた調査によると養育費を受給している母子家庭は全体の3割以下だそうです(令和3年度)。
多くのひとり親家庭が受け取れずにいるのですね。
離婚の際に話し合いができずに最初から諦めてしまったり、離婚から月日が経つにつれて支払われなくなったりするようです。
わたしも途中から養育費の受給を諦めたひとりです。
わたしは9年前に離婚しました。
離婚の前に元夫と取り決めた養育費の条件は毎月5万円を子どもが22歳になるまでというものでした。
第1回目の振込日に通帳で入金を確認したときは、子どものことをちゃんと考えてくれているんだと感極まったのを覚えています。
当時一人息子は私立の中高一貫校に通っていました。
本当なら公立校に転校させるのが身の丈に合っているのでしょう。
でも親の都合で環境が変わり過ぎるのは不憫に思い転校はさせませんでした。
学費の支払いが家計の大部分を占める状態だったので養育費の収入はとてもありがたかったのです。
ところが3年目くらいから支払いが滞り始めました。
連絡すると「適応障害になって長期休暇を取っている。復職したらまとめて振り込む」という返事でした。
実際しばらくして一度まとめて振り込まれましたがその後またすぐに滞り、そのまま振り込まれることは無くなってしまったのです。
離婚した時に公正証書を作っていたので取り立てる方法はありました。
公正証書は公文書として認められていて裁判所の判決と同じ効力を持っています。
財産分与や養育費についてまとめたものを公証役場に届けておけば、約束が守られなかった時に強制執行してもらえるのです。
ですがわたしはこの権利を使いませんでした。
こういう大切なことに関してルーズなところが元夫の残念なところでした。
養育費の滞納など想定内のことです。
わたしは縁を切っておいて正解だったと思うことにしたのです。
子どものことを思うとこの考えは良くないです。
養育費を受け取るのはわたしの権利なのではなく子どもの権利なのですから。
でもわたしは自分が頑張って働きさえすれば済むのだと思いました。
それなら大したことではないのです。
養育費を督促しないことのメリットの方を大切にしました。
ここでお金の縁を切っておけば彼が将来子どもに無心することはさすがに無いでしょう。
それに無理に取り立てて恨みをかうのが怖かったというのも理由です。
その後も元夫は子どもに会おうと連絡してくるようです。
ある時は二人で旅行にも出かけたりするのでそんなお金はあるんだと内心少し複雑でした。
やはりわたしとは感覚が違っているようです。
でも親なのだからいつでもいくらでも会えばいいと思っています。
子どももこの春から新社会人になりようやく肩の荷が降りました。
去年の秋大学の最後の授業料を納めたときの開放感は今でも忘れません。
わたしまあまあ頑張ったのではないかな。
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